悪夢の始まり

ここからはいよいよ忍耐の作業の始まり。
ここまでで十分に心が折れましたが・・・
まずはこちら、謎サービスホールから行きましょうか。
とりあえず何がしたかったのか理解不能です。
別に錆びてもいないのに切り取られ、そしてその切り取った鉄板もあります。
切り取られた鉄板。
気付いたこと。
シャーシブラックは切り取った後に塗られたらしい、だって切り取った鉄板には塗られてないんだもん。
そして、切り取った鉄板はフニャフニャらしい、だってどう見てもフニャフニャだもん。
鉄板を元に戻したいだけなのに元に戻す以前に元に戻す鉄板を元に戻さなきゃいけない、どうなってんだか。
リブも痛んでるし鉄板自体もフニャフニャなので万力の狭いスペースで直します。
鉄板は闇雲に叩かないことが肝要です。例えばこの部分、今叩こうとしているのは万力の平らな部分に乗せている部分ですが、半分くらい叩いたところで場所を写します。この部分はただ単に曲がっていると言うより、別の力によって押されて逃げ場が無くなって曲がっているのです。ですから、むやみやたらに叩いても、押されている部分を引っ張ってあげないと鉄板が伸びて収拾がつかなくなります。
上の画像の鉄板を裏返したところです。緑の線の部分を裏側から叩いていました。今回一回で鉄板を伸ばさなかった理由は黄色の矢印の部分のリブが潰れているからです。リブが潰れている事で平らになった分、面積が増えた鉄板が赤い矢印の力を発生させます。この力は常に逃げ場を求めている状態です。そして何らかの拍子に発生した、緑の線で示した谷折り部分、この折り目に向かって力が一斉に逃げています。その為、青色の線のように通常より曲がりが激しく、しかも叩いてもやけに抵抗してきます。この状態で緑の線を裏からひたすら叩いてもまったくの逆効果、鉄板が伸びてしまい、今度は緑の線付近より、赤い線に反発する黒い線の力が完成します。これ、板金をやった事がある方なら一度は体験する、叩きすぎてたんこぶみたいに膨らんだパコパコ音のする鉄板に近い状態です。
リブ修正中。あ、パコパコになった鉄板の直し方はいつか説明します。えっと・・・言いにくいですが・・・過去に紹介された鉄板をあぶって絞る方法を使うと、多分余計に伸びます(笑)
ええ、信じてやって伸びましたとも。問題はもちろん本人の技術とそして、炙る火力の違いです。僕は独自に編み出した(はず)方法で絞っていますが、はっきり言ってめちゃくちゃ縮みます。今、鉄板が伸びてぶった切ってしまおうか迷っているあなた、もう数ヶ月待って他の部分のレストアをして下さい、絞れますから。
話を戻してリブの修正中。
万力の隙間を使って修正します。
板金ハンマーキット、ほら、全部読み終わった後で!!白黒のページぺらぺらめくってください、工具をいっぱい売っているショップのラインナップにあるはずです。仮に写真が無くてもあるはずです。僕はそれを使っています、便利ですよ〜。ドリー数点とハンマー数点、箱付きです。そのキットの中に入っているハンマーのひとつが左のものです。本当はもっと尖っていた気がしますが長年使っているので潰れてしまったのかな?でもリブにちょうどいいです。ここは技術と言うよりきれいに溝を合わせているかどうかでしょうか。正直美しいラインが出るかと言えば微妙ですがとりあえず形にしたいのでこの方法でやっつけました。
それなりに完成。